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「続・三丁目の夕日」

映画の続編にはバクチ的な所がある。当たれば大きいが失敗すれば前作までだいなしにになりかねない。
この映画はその点において大成功だと思った。時間の流れは、それ程経過しておらず出演している俳優にも変更がなかった事がその原因のひとつと言えるかもしれない。
時代は1959年(昭和34年)で、前作ではまだ東京タワーが未完成であったのが本編ではすでに完成しており、多くの客を集めていた。場面全体は東京の下町を舞台に活気のある高度成長時代の幕開けを感じさせる趣があった。これも最先端のコンピューターグラフィックを屈指して当時の東京を知る世代の人たちを納得させる出来栄えに仕上がっている。
内容については、前作を観た事を前提にしてのストーリーの展開になっているが決して前作を観ていない人でも楽しめると思われた。そこには、人と人との心の結びつき、平たく言えば「人情」というテーマを軸に、かと言って変に湿っぽくならず、不器用に生きている市井の人々が活き活きと表現されている。そこには、現代人が文明の発達と共に置き忘れてきてしまったものを再発見させてくれる力がある。
それが、この映画の最大の魅力であり、感動の涙を流させるのだろう。さらには、特異な事件や出来事も起こらずに当時の日常の生活を切り取って見せてくれるのだが、その場面場面に出てくる人たちが日々を精いっぱい生きている姿に観客は共感するに違いない。
もう決してあの時代の日本には戻ることは出来ないがいつの時代も変わることのない晴れた日の夕日の美しさを観ている人の心に残してこの作品の幕は閉じた。
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